ひじきの鉄について
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ひじきの鉄について
文部科学省は12月25日付で「日本食品標準成分表2015年版 (七訂)」掲載「ひじき」の可食部100g当り鉄含有量に関し、「鉄釜だと58・2mgの鉄を含むが、ステンレス釜だと6・2mg」と発表しました。
当協議会が現在までに確認している検査結果によりますと、日本産ひじき(52検体)は文部科学省発表の 6.2mgに近い数値である7.7mgの鉄含有量であります。
同様に検査した韓国産ひじき(14検体)は47.6mg、中国産ひじき(12検体)は47.7mgと従来(六訂まで)の日本標準食品成分表に記載されていた55mgに近い数値を確認しております。
これらひじきの加工に使用している釜はすべてステンレス製です。ステンレスは耐食性に優れ、食品加工においては「食の安全・安心」の観点から、異物混入の原因除去のため海外加工会社を含めステンレス釜の使用を推進してまいりました。
また、国内流通している乾燥ひじきは(一部産地を除く)、日本標準食品成分表にある「煮熟後乾燥」したものではなく「蒸煮後乾燥」したもので、蒸煮の際の釜の材質による鉄含有量の違いはないと推測しております。
本発表を踏まえ、当協議会では各産地(日本産、韓国産、中国産)別鉄含有量の業界標準成分数値設定のための研究を進めてまいります。
また各産地別鉄含有量の差異につきましてもその原因を合わせて研究してまいります。 -
産地別ヒジキの鉄含有量について
日本ひじき協議会として ヒジキの鉄の含有量については次の値を使用してまいります。
国産 6.2mg/100g ステンレス釜 日本食品標準成分表2015より 韓国産 59.6mg/100g ステンレス釜 中国産 61.5mg/100g ステンレス釜 - ※1 日本ひじき協議会会員は特別な表記のない限り、ステンレス釜で加工した商品しか扱っておりません。
- ※2 韓国産・中国産の数値は、日本ひじき協議会が分析した数値です。
検体の詳細は、会員各社にお問い合わせください。
ヒ素について
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日本ひじき協議会の研究から
∴英国FSAの発表の数字は、実験の方法が不明確で筋妻が会わない部分もあり、具体的に基準値を模索する際に使える数値になっていないと判断し、業界として最新の検査方法で検査しました。
∴日本ひじき協議会が検査 (東京薬科大学 生命科学部 環境動態化学研究室調べ)
- ・平均値(国産、韓国産、中国産の12種類の試料を検査した平均値です)
- ・ヒジキに含まれるヒ素の総量:54.84(μg/g)
- ・水戻し(30分)で流出する量:24.65(μg/g)
- ・水戻し後のヒジキに残るヒ素量:30.19(μg/g)
- ・つまり、乾燥したヒジキを水戻しすると、総ヒ素量の約45%は水に流れ出します。
- ●数値としては約30μg/gのヒ素になります。
注:全ての数字はヒジキの乾燥重量あたりの数字です。
PTWI(暫定的耐容週間摂取量)
∴厚生労働省が発表しているPTWI(暫定的耐容週間摂取量)は体重50kgの人の場合750μg/人/週とされていますので、この数字を使用すると750÷30.19=24.84g/人/週と言う数字が計算されます。
注:このPTWIの数字は本来飲料水に対するもので、ほぼ100%吸収されることを条件にした基準です。
食品として摂取した際の基準ではなく、吸収率や排泄率、体内での代謝などは全く無視した数字です。∴食品としては非常に厳しい数値ですが、現在はこの数字しか示されていないので、この数字を使用して計算します。
これは、毎週24.83g(乾燥重量)までのヒジキなら、これを一生涯食べ続けた場合でも、健康被害が起きる可能性がないというものです。∴因みに乾燥重量24.8gのヒジキに野菜等の具材を入れて煮物にすると、小鉢に21杯以上採れます。
つまり、毎食(朝昼晩3食×7日)小鉢一杯程度を(一生涯)食べ続けても問題ないのです。