産地
ひじきの主な産地は、国内では房総半島、伊勢志摩、紀伊半島、四国、九州地区です。 その他、外国からは韓国産が多く、最近では中国からも輸入されています。 現在約90%が輸入もので、国内産は僅か10%ほどです。
ひじきの産地別特徴
天然物と養殖物
天然ひじき
荒磯で揉まれ、干潮時には天日や潮風にさらされる厳しい環境の元育つのでコシが強く、汚れが少ないひじきです。 また、水戻し後は、表面が艶々し、新鮮なほど色が茶褐色になるのが特徴です。国内産はほぼ100%天然産です。
増養殖ひじき
天然のひじきの幼芽をロープに付け、波の静かな入江で栽培することにより計画的にひじきを生産できます。 一本の苗から枝分かれし、4~5本のひじきが成長ことから増養殖と呼んでいます。
ひじきの生態・環境・形態
ヒジキ Hizikia fusiforme
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地理的分布
北海道沿岸日高以南、太平洋沿岸、瀬戸内海、九州 朝鮮半島、中国大陸
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垂直分布
潮間帯下部の岩上
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形態・特徴
根はほふくして岩の上を長く伸びる。直立する体の茎は円柱状で中空、ほぼ互生に葉と小枝を出す。体の長さは50cm~1mにもなる。太さは3~4mmである。葉と小枝は基本的に同じであって。形が違うだけである。普通、葉は体の下部に見られ、へら形で、減りに少し鋸歯がある。南の海では、葉は体の上部にも出る。小枝は中空で、野球のバット状、または長い紡錘形である。気泡は小枝が変化したもので紡錘形である。春~初夏によく繁茂し、初夏に小枝のつけ根に米粒大のものができ、この中に卵と精子がつくられる。すなわち、米粒大の部分は生殖器床である。卵は大潮日の頃に熟成して放出され生殖器床の表面についている。ここに泳いできた精子が入って受精が行なわれる。受精卵は生殖器床の表面でしばらく細胞分裂を繰り返した後に離れて岩につく。発芽体は秋~冬にはゆっくり成長するが、春には急成長する。卵や精子を放出した体は枯れて消失する。しかし、岩の上を長くのびたほふく根は夏にも生き残り、やがてところどころから新しい芽を出す。ほふく根はこのようにして少なくとも7~8年はいき続ける。ほふく根はヒジキの繁殖に重要な役目を持っていることがわかる。ここ近年は海水温の上昇などからほふく根の着生する磯が石灰藻(通称:磯焼け)により着生できない環境になりひじきの数量が極端に減少してきている。